2010年8月25日水曜日

問題7

現在,総選挙を前にして高速道路を無料化するべきかどうかについての議論が行われています。ここでは通行料金をどのように決めることが望ましいのかという問題を考えてみましょう。その際には,本質的な問題が分かりやすくなるように,以下のような簡単化した仮定の下で分析したいと思います。

まず一定の区間に注目したときに,実際には平日と休日では,また昼間と夜間とでも交通量が異なると思いますが,ここでは一日を通じて安定しているものと考えることにします。また道路の維持補修にかかる費用はゼロとします。そして,この区間が渋滞していないことを前提としたときの通行料金と利用希望者数の関係を調べたところ,下のグラフのように,0≦p≦aの範囲で,q=1−p/aという関係になっているとします。


このとき以下の問に答えなさい。

(1) 高速道路の車線数が十分に多く,希望者全員が利用したとしても混雑が発生しない場合を考えます。このとき,通行料金をいくらにすれば社会的余剰が最大になりますか。

(2) 次により現実的な問題を考えるために,一日の交通量が0.7を超えると渋滞が発生するとしましょう。そして渋滞が発生した場合には,個々の利用者の満足度が半分に低下するものとします(実際は渋滞の程度に応じて満足度が変わると思いますが,ここでは渋滞の有無だけを考えていることに注意してください)。このとき社会的余剰を最大にする通行料金はいくらでしょうか。また交通量が0.2を超えると混雑が発生するとしたら,社会的余剰を最大にする通行料金はいくらでしょうか。それぞれ答えなさい。

2 件のコメント:

  1. 以下のとおり回答を考えてみました。いかがでしょうか?
    (1)道路の維持補修費用(限界費用)がゼロのため、費用を考慮に入れる必要はなく、通行料金0円の時に、社会的余剰(消費者余剰のみ)が最大となる。
    (2)交通量が、0.7と0.2の時に需要曲線の形状が変化することは予測できますが、回答が導き出せません。アドバイス等をお願いいたします。

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  2. (1)の解答を生かして考えると…。

    (2)では渋滞がいったん発生すると、「皆」が巻き込まれ、個々の利用者の満足度が半分に低下することにより、総余剰が半減すると考えれば、
     交通量が0.7で渋滞が発生してしまうとき、0.2で発生してしまうとき、それぞれの場合で、渋滞発生前の総余剰のMAXと渋滞発生後の総余剰のMAXを比較をするとよいのかなぁと思います。

     渋滞が起こらないときの総余剰のMAXの1/2の余剰を得る交通量に達する前に、渋滞が起こるか起こらないかで結果が変わるような気がします。

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