2010年9月7日火曜日

問題17

アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)とは,多くの国で大学の入学試験,企業の採用や昇進の際に実際に利用されている制度です。これは例えば,大学入試や企業の採用のケースでは,人種や性別ごとにあらかじめ合格・採用する人数を割り当てることや,企業における昇進の際に女性が占める割合の最低限をあらかじめ定めておくことなどを指しています。実例を挙げるなら,以前は,フランスでは国会の議席が男性ばかりにより占められることを防ぐために,あらかじめ男性の議席と女性の議席を半分ずつにしていました(現在はより複雑な制度を用いて女性の政治活動を支援しています)。

このような取り組みはなぜ必要なのでしょうか(もしくは不要なのでしょうか)。このような制度についてメリットとデメリットの両面から議論しなさい。その際に,「インセンティブ」という用語を少なくとも一回は使うこと。

2 件のコメント:

  1. まちP Kimura2011年5月15日 17:28

    アファーマティブ・アクションによるメリットとしては、異なる人種や性別の方々に機会増加のインセンティブが働き、より多様な人材が確保されるということが考えられます。次にデメリットとしては、比較優位を持つ人材が確保されない可能性があることが考えられます。

    現状の社会環境によって機会を失っていた方々は、短期的には能力を発揮しきれないかもしれません。しかし、長期的には、異なる人種や性別の方々の増加によって社会環境が変化し、十分に能力を発揮できるようになることが期待できます。
    そしてそのときには、アファーマティブ・アクションの役目は終わるのかもしれません。

    以上から、この取り組みは必要ではないかと考えます。

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  2. (メリット)
    ・あらかじめ採用等の枠を確保することにより、これまで人種や性別により差別を受けていた人たちに、参加を促すインセンティブが働く。
    (デメリット)
    ・枠を確保することで、純粋な能力主義にならず、能力を持った人の参加のインセンティブを低下させることになる。
    ・根拠を持って、適切な枠(人数割合等)を設定することが困難である。
    (結論)
    差別が残っている社会環境の時は、本制度は有効であろう。しかし、社会が成熟し、差別が少なくなることに伴い、制度も必要が無くなると考える。

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