2011年8月4日木曜日

問題32

ある特殊な電気製品(例えば非常に高性能なテレビなど)を製造できる企業は,世界中で我が国の国内企業2社のみであるとします。そして両企業はこの製品の製造販売のみを行っていて,それぞれの利潤を最大にすることを目的として,生産量を独自に決定する同質財の数量競争を行っていると考えることにします。

ここでまず両企業の株主も労働者もすべて日本国民であるとします。そして両社の製品は日本国内に限らず全世界の消費者に対して販売されているものとします。なお需要量をq,価格をp,そしてkを0より大きく1より小さい数としたとき,国内分の需要関数はq=k-kpであり,世界全体の需要関数はq=1-pである(つまり国内と国外で販売される比率はk:1-kである)とします。

話を簡単にするために,この製品の生産には固定費用も可変費用もかからない(つまり限界費用はゼロ)とします。また外国へ輸出する際には関税がかからない,そして輸送費用もゼロとします。加えて国内外で価格差別をすることができず,同じ価格で販売するとしましょう。

ここで両企業が合併することを計画していて,政府の認可を求めているとします。この製品に関して生み出される社会的余剰(ただし我が国が得るもの)を最大にすることを目的として政府が政策決定をしていると考えたとき,国内消費割合を表すkの値がどのような水準を超えるときに合併を禁止すべきでしょうか。

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