(1)薬は専門性が高く、効能等については、消費者は十分知ることができない。つまり、製薬会社と消費者の間に、市場の失敗である「情報の非対称性」が存在する。そのため、製薬会社は、よくわからない消費者に対して、より良い薬を提供することを怠けるモラルハザードが発生したり、消費者がより品質の低い薬を買わされる逆選択が発生する危険性がある。そのため、承認審査制度は、新薬が安全基準をクリアしていることを、国が保障することで、消費者が安心して薬を購入することを可能とする市場の失敗を解消する有効なシグナリングの手段の一つになる。(2)承認審査の制度を上げるほど、薬の開発経費が増加するとともに、世の中に普及する時間が遅くなる。そのため、薬の供給に係る機会コストが増加し、供給曲線が左(下)にシフトし、その結果、均衡価格が上昇するとともに、取引量が減少し、社会全体の総余剰が減少することが考えられる。一方、薬は、誤ると命に関わる危険な要素を持っているため、副作用が100%無いように確認した後、販売を認可する必要性も十分ある。つまり、薬の認可水準を下げ、薬が安く早く世の中に提供でき、病気等で困っている人を救うことができるということと、認可水準を上げ、より安全な薬を提供できるというトレードオフの関係にある。そこで、改善策として、薬の認可水準を下げることによるリスクに対して、きちんとその内容を消費者に説明(容器に記載、コマーシャルなど)し、消費者と生産者の情報の非対称性も解消した上であれば、100%より低い認可水準で販売することには正当性があると考える。
(1)
返信削除薬は専門性が高く、効能等については、消費者は十分知ることができない。つまり、製薬会社と消費者の間に、市場の失敗である「情報の非対称性」が存在する。そのため、製薬会社は、よくわからない消費者に対して、より良い薬を提供することを怠けるモラルハザードが発生したり、消費者がより品質の低い薬を買わされる逆選択が発生する危険性がある。そのため、承認審査制度は、新薬が安全基準をクリアしていることを、国が保障することで、消費者が安心して薬を購入することを可能とする市場の失敗を解消する有効なシグナリングの手段の一つになる。
(2)
承認審査の制度を上げるほど、薬の開発経費が増加するとともに、世の中に普及する時間が遅くなる。そのため、薬の供給に係る機会コストが増加し、供給曲線が左(下)にシフトし、その結果、均衡価格が上昇するとともに、取引量が減少し、社会全体の総余剰が減少することが考えられる。一方、薬は、誤ると命に関わる危険な要素を持っているため、副作用が100%無いように確認した後、販売を認可する必要性も十分ある。つまり、薬の認可水準を下げ、薬が安く早く世の中に提供でき、病気等で困っている人を救うことができるということと、認可水準を上げ、より安全な薬を提供できるというトレードオフの関係にある。
そこで、改善策として、薬の認可水準を下げることによるリスクに対して、きちんとその内容を消費者に説明(容器に記載、コマーシャルなど)し、消費者と生産者の情報の非対称性も解消した上であれば、100%より低い認可水準で販売することには正当性があると考える。